「行かない」という選択をしたライブ【続・ポルノグラフィティ最終日配信ライブレポ】

ポルノグラフィティ

REUNION以来、再びコロナ禍で開催されたポルノグラフィティのライブ

  • 続・ポルノグラフィティ

前回のREUNIONは、東京近郊のファンクラブ会員が有観客として参加できた、ある意味配信メインの単発ライブとして開催された。

今回はファン待望のツアーだった。もちろん、私もずっと心待ちにしていた。
しかし、今回は先行でチケットを取りながらも最終的に「行かない」という選択をした。

「行かない」という選択をしたライブ【続・ポルノグラフィティ最終日配信ライブレポ】


ライブが発表され、歓喜に沸くSNSを見ながら、嬉しさと複雑な気持ちがあふれたことを今でもしっかり覚えている。

当日はポルノ公式からの発表予告が明け方だった為、アラームをかけて目を覚ました。

新曲のリリース、ツアーの発表。

待ちに待ったことだった。しかし、まだ周りには伝えていなかったが、その時すでに妻の妊娠がわかっており、当時のコロナ禍の状況を考えるとライブに行くことが良い判断とはとても言えなかった。

妻もポルノが好きで、いや好きになってくれてからずっと一緒にライブに行っていた。
どういう反応をするかわからないがライブがある事を伝えると、「今は行けるか行けないかはわからないけど、行きたい気持ちはあるし、あとでチケットを取ればよかったともやもやするのも嫌だから申し込もう」と言ってくれた。

先の見えない中、東京ドーム以来のポルノに会える可能性を持ちながら県内の一カ所、チケットを申し込み、そして不確定ながらもライブ参戦というスケジュールが生まれた。

ライブ予定日が近づくにつれ、コロナの人数も減少していったが、それと同時に妻のお腹に命が宿っていることを日々確かに感じていた。
お互いにいろんな思いを抱えながら過ごし、二人の会話の中にライブの話は出なくなっていたが、ある日車で「テーマソング」が流れているときに、「やっぱり不安だからやめよう」という言葉が出た。

初めて、ポルノのライブに「行かない」という選択をした。

少しでも良い人に席が回って欲しいと願いながら、チケットの返金を行い、そこからなんとなくポルノの曲を聴く頻度も減った。
残念なのは残念だったが、自分の中で今一番大切なものはポルノじゃないとはっきり思った瞬間でもあった。

SNSで見かける参戦の感想を見るたびに、羨ましいと思いながらも、今自分にできることをする日々を送っていた。
そんな時に頭の中でBGMとして流れるのは「テーマソング」だった。

2021年の終わりが近づくと共に、長かったツアーも残りわずか。そんな中配信ライブが発表され、やっと見れる自分の知らない新しいポルノに胸が躍った。


love up!限定のチケットで見ることが出来るライブ前の映像では、「テーマソング」のリハーサルの様子が映し出される。

ポルノが新しい1ページを刻もうとしている。
物語が動き出す。

前回のREUNIONの配信ライブと同じく、会場への入場シーンから始まる。綺麗な女性が入場前のチェックを行い、会場に入った。



2年前まで何度も何度も見た光景。沢山のファンが会場内を埋め尽くす。マスクこそしているが、嬉しそうな表情は伝わってきた。
ステージセットはシンプル。宇宙服のシルエットをセンターに、「P」「G」の文字が強調されている。



暗闇の中、現れたのは見覚えのあるシルエット。画面越しでも、遠くにいても、同じ空間にいなくてもはっきりわかる。自分にとって圧倒的なヒーロー。

そして続きの物語が始まった。

  • IT’S A NEW ERA



一曲目に演奏されたのは、「テーマソング」のカップリングとして収録された新しい船出のナンバーだ。この曲の解釈は様々だと思うが、私はコロナ禍で音楽というものの立場、必要性が問われ、ポルノ自身も動き出すべきなのか悩んでいる中、ファンの声、そしてなにより音楽を届けたいという自分自身の声に従い、前に、続きに進みだす決意をした歌だと思っている。

一曲目ながら涙した。
ポルノに明確な続きがあった。





手を叩いて 足を鳴らして
まだ声にできぬなら
聞こえてるか 私の希望
紛れもない 祝福の音

声が出せない状況でもライブは出来る。
みんな楽しめる。
音楽は必要だ、誰にとっても。
ライブに行けない人にとっても。

続きを歩んだポルノへの祝福の音が響き渡る。
声にできずとも伝わってくる興奮の中、二曲目に入る。

  • 幸せについて本気出して考えてみた

初期ではマイナーシングルの枠に入っているこの曲だが、イントロから会場全体が熱気に包まれるパワーがある。



年齢を重ねるごとに、この曲に込められたメッセージが心に沁みてくる。それはポルノ二人もそうなのかもしれない。私たちにとってはマイケル的存在のポルノは、今日も私たちの「それなり」を誉めてくれる。ありがとう。




昭仁は次の曲に入る前にクラップを煽った。
「声を出せない分ボディで表せ」そう言い始まったのは懐かしいあの曲だった。

  • ドリーマー


久しぶりの演奏となるドリーマー。記憶にあるのは、初めてのドーム公演となった東京ロマンスポルノ以来。最近はすっかり減ってしまった“ポルノソング”のなかでも、曲自体が明るくテンポが良いので爽やかに聴けてしまう。

中学生の頃、アルバム「THUMPχ」を聴いた時、男子学生なら誰もが当てはまるような主人公の気持ちに心を重ねたのが懐かしい。


東京ドームではプッシュプレイやTwilight, トワイライトなどが演奏されたので、THUMPχを改めて聴き直していて、ドリーマーもライブで聴きたいと思っていた。


ここで会場が暗転、さっきとは打って変わって、ファンこそ知りえるポルノのもう一つの顔、ダークな世界観に引き込んでいく。

  • ANGRY BIRD

アルバム「RHINOCEROS」リリース時に、Ohhh!!! HANABI のようなアップテンポの“世間が思うポルノ”でアルバムに目を向けてもらい、ここに引き込みたかった。と語っていたように、多くのファンが会心の一曲にその胸を射抜かれた。


おそらく、今回ポルノ歴が浅い方は「ポルノはこんな曲もあるんだ」と思ったに違いない。


いろんな顔、楽曲を持つカメレオン・バンドであるポルノにとって、これも一つの武器だ。

ライブは久々に聴けるレア曲が多い程コアファンの満足度は高くなる。ドリーマーにANGRY BIRDと序盤からレア曲を繰り出してきてすでにチケット代の元は取った気分。

しかし、今日のポルノはこんなものではなかった。これから繰り出される数々の楽曲に震えることになることを、この時はまだ知らない。

  • 今宵、月が見えずとも



続けて披露されたのは中期のヒットシングル「今宵、月が見えずとも」だった。
当時、「ヒット曲を意識して制作した」と語り、その後ライブの定番となりつつあった楽曲だが、いつしか演奏頻度が少なくなり、今回久々の披露となる。

こんなにパワーのある楽曲ですらスタメンに入ることが無い程ポルノの楽曲たちの層は厚い。その反面、好きだったのに演奏されないシングルが増えてしまったのが寂しくもある。
しまなみロマンスポルノの時に、久々に「アニマロッサ」のイントロが鳴った時、待ってました!というファンの歓声が記憶に残っている。


ここでMC。

気合入ってるね、最終日だから?

普段とは違う熱気に昭仁も反応する。


そしてお決まりの挨拶「わしらがポルノグラフィティじゃ」でさらに熱気が高まった。
晴一はライブをする上での気持ちを語る。


きっと今日やる曲のなかで、もう二度とやらない曲、少なくとも10年以上やらない曲もたくさんあると思う。そう思うと本当に一曲一曲大事に演奏したいと思うし、そういうものが伝われば良いと思う。

昭仁も、今回のライブは「まぁまぁマニアックな曲ばかりで初めてきた人にはちょっとキツイかも・・(笑)」とハードルを上げてくる。

その言葉に嘘偽りはなかった。次に演奏されたのはレア曲中のレア曲

  • Free and Freedom


思わず声が出てしまう、そんな選曲だった。
個人的に好きなカップリング曲TOP5には入る名曲だが、ライブで演奏されることがめったに無く、もう二度と日の目を見ない楽曲なのかもしれないとも思っていた。

キーが高い曲でキツそうな部分もあったが、圧巻の演奏を見せる。
メンバーが二人になって最初のツアーSWITCHで演奏されたこの曲が、再び今の二人から奏でられたことが嬉しいし、続・ポルノグラフィティと銘打った今回のツアーらしい挑戦の気持ちも感じられた。

久しぶりのFree and Freedomからの流れで、次もシングルながらレア曲扱いされてもおかしくないこの曲

  • Love,too Death,too

リリースされたのは2008年。初期に多くの楽曲を手掛けていたプロデューサーの本間さんが単独で作曲したシングルとしてはこの作品が最後になっている。ギターが単調だという理由でライブでは登場機会がほとんどなかった不遇のシングルだが、曲の世界観や詞の世界観はまさしくファンの思い描くTHEポルノだと思う。



今回の配信ライブでは歌詞も表示されている。歌詞を表示することをあまり良しとしない方もいると思うが、私は配信時は歌詞を表示して欲しい。今では昔のように歌詞カードを開き、歌詞の一文一文に込められた想いを感じ取ることは減ってしまった。

ポルノを好きになったきっかけは“昭仁の声”であることに間違いないが、ずっとポルノを追いかけてきた大きな理由が“晴一の歌詞”にあることも間違いない。特に新曲のクレジットに新藤晴一と表示されていた時の胸の高鳴りは今でも変わらない。



こういった機会にポルノが伝えたいメッセージと改めて向き合うのも楽しい。
何故このツアーでこの曲が選ばれたのか、長年やっていないからだけではなく、セットリストの一曲一曲に続・ポルノグラフィティツアーで演奏される意味があるはずだ。

作られた当時の想いと、ポルノの今の想いにも耳を傾けたい。


MCではTHE FIRST TAKEへの出演がとても楽しかったことを話す。20年以上やってきて、また新しいコンテンツに足を踏み入れたことで見えた景色もあるだろう。


ベテランバンドにはなるが、ポルノの楽曲からは古臭さをあまり感じない。それは当時から最先端かつ独特なポルノワールドを作り上げてきたからだろうか。決してファンが贔屓目に見た意見だけでなく、THE FIRST TAKEでの再生数こそポルノが今でも十分に通用することを改めて証明する良い機会になったと思う。

そんなTHE FIRST TAKEがきっかけでアコースティックアレンジをすることになったのが次に演奏するアルバム曲

  • ミステーロ



ここでミステーロの選曲には驚かされた。先ほど披露されたANGRY BIRDと同じアルバムのトリを飾った、近年のアルバム曲の中でも完成度の高い何言ってるかよくわからない名曲。
過去にもライブでは様々な楽曲のアレンジ違いを演奏してきたポルノだが、アコースティックアレンジでのミステーロはまた一つポルノの引き出しを見せられた気がした。


二曲続けてのアコースティック。二曲目はTHE FIRST TAKEでも披露し、変わらぬ歌声で絶賛されたポルノ最大のヒット曲

  • サウダージ




まるでミュージカルを見ているかのように、サウダージの歌いだしをマイク無しの生声で披露した。今回のライブのセトリは過去のライブの中でも上位に入るほど素晴らしいものだったが、正直言って、私が今回のライブに参戦出来なかったのを一番悔やんだのはここだった。

大好きな歌声を、本当の意味で生で聴ける瞬間がこの先あるのだろうか?会場にいて、その目で、その耳で感じたかった。マイクを通さずに会場に響き渡る唯一無二の声。

配信でその歌い出しに酔いしれていると、となりで妻がつぶやいた。
「やっぱりサウダージはたまらない、結局そうなる。」

その通りだ。
何百回と聴いた曲だが、たまらない。最大のヒット曲というのはそのアーティストを輝かせる反面、苦しめることにもなる。サウダージにはポルノにとって必ずしも良い思い出だけではないのかもしれない。しかし、今のポルノはサウダージという曲と良い関係で寄り添っている気がする。



今となっては、ポルノにとってもファンにとっても財産となる曲だ。そしてこれからポルノを好きになっていくであろう人も、必ず通っていく道にこの曲はある。


アコースティックに酔いしれた後は、再びバンドサウンドを響かせる。


  • 鉄槌

今日のセトリは一貫してコアファンが見たいテイストで固められている印象だ。わかりやすく華やかな楽曲も好きだが、私は徹底的に作り込まれたダーク寄りな世界観の楽曲が大好きで今回のライブは普段のライブでは数曲しか演奏されないような楽曲で固められている。


コロナ禍でファンクラブツアーが開催されない中、しっかりコアファンも満足させるセトリを組んでくれたことでファンの暴動も抑える事が出来るだろう。

  • Fade away

ここで更なる追撃ダークソング。昭仁作詞作曲のシングル候補にもなった隠し玉だ。

昭仁は定期的にどうしたの?と思うような鬱ソングとドストレートの背中を押す(蹴り飛ばす)元気曲を制作する情緒不安定系ボーカルだが、個人的には晴一曲より“ライブ映え”する曲が多いイメージがある。




晴一の作る曲も、もちろんライブで聴くと最高だが、どちらかというと小説を読んでいる感覚で聴くことが多い。昭仁の作る楽曲は自身の声で、ライブで、全身全霊で届けてくれることで完成される。
ボーカリスト自身の詞曲があることも、またポルノの大きな魅力。結局のところ、ボーカルが気持ちよさそうに歌っているのを見るのが最大の幸せなので、これからも自身の想いを思いっきり詰め込んだ熱量の高いナンバーを生み出して欲しい。


大丈夫ですか?静態して聴く救いのない曲が多かったのでこのへんで愛の歌でも届けようかなと思います。

確かにちょっとコアで偏った流れだったこともあり、ここでいったん断ち切る。
同じようなセリフを20周年ツアーであるUNFADEDでも聞いた。今回の続・ポルノグラフィティツアーもUNFADED同様にアルバムリリースのないツアーで、セットリストの雰囲気も近いものを感じる。
コア曲の流れを断ち切って始める愛の歌となれば、シングル系かと思ったがまたもやレア曲が始まった。



  • 元素L

冬のツアーらしい素敵な選曲だった。
誰しも言いたくても言えない言葉を飲み込んだ経験あると思う。私もライブに行ったり、音源を聴いたりして情景を自分に重ね、昔を思い出したり未来を思い描いたりしてきたが、今のコロナ禍の学生たちはどういう距離感で恋愛をしているんだろうか。

もっともっと言葉が苦く感じているのであれば大変だろうな。


近年、冒頭や一番を昭仁のソロから入る楽曲も多くなった。本人の口からも度々、歌唱力への自信を口にする機会があり、ポルノチームとしても第一に“昭仁の歌声を前面に“出そうとする傾向が感じられる。
これはメンバーが三人から二人になってから特に感じていた。昔は全開の演奏の中で、昭仁は声が枯れてでも負けじと全力で歌っている印象だったが、Tamaが抜けてからは“昭仁の歌声を殺さないバランスの取れた演奏”になってきた印象だった。

  • Winding Road

アルバム曲もだが、やはり今回はシングルの選曲が素晴らしい。シングル曲を聴くとリリース当時の思い出を鮮明に思い出す。
シングルのフラゲ日は学校をサボって近くのCDショップへ行ったりしていた。ある意味今よりも音楽に夢中だったのかもしれない。




Winding Roadはポルノの中ではシンプルで、語弊のある言い方になるかもしれないが、“普通の曲”だ。しかし、普通じゃない曲が多い為にこういったバラードが光る。影は薄くなってしまっているが、ポルノ屈指の名曲だと思っている。好きなシングルを挙げるとするなら絶対に無視はできない存在だ。

個人的には、この枠はツアー前半はWinding Roadで、終盤にゆきのいろにしても面白かったと思う。ツアーと共に季節の流れを感じることが出来る。


MCに入る。

コロナの収束が見えない中だけど、暗闇の先にはきっと出口があって新しい世界が待っている。IT'S A NEW ERA、私たちの為のばちょ・・場所。
ばちょって言ったけども。きっと私たちの為の場所があるって信じたいね。

NEW ERAへの出発。今日がその日だ!

  • THE DAY

すっかりポルノにとってスタメンとなったTHE DAY。人気アニメの主題歌を担当することも多いが、特に放送開始最初のOPを担当することはファンにとっても誇らしい。爆発力もありながら、メッセージ性も強い楽曲なだけに、これからもライブのスタメンでいて欲しいが、この曲をさらに超す名曲を生み出して欲しい気持ちも強い。今宵、月が見えずとものように、次第に演奏されない楽曲になるのかどうか、これからも見届けていかなければならない。

続けて、前回のライブで初披露された楽曲。


  • REUNION

前回のライブで初披露され、音源化を待望されたREUNIONは、大きな変化を遂げて収録された。命令形だったものが全体的に綺麗にまとめ上げられ、当初は少し違和感があったが、今では聴きなれた楽曲となり、ライブでの演奏が楽しみだった曲の一つ。




20周年からキーボードを担当している皆川さんの表現力には毎回驚かされる。どんなシリアスな曲も、ポップな曲も一音目からその世界に惹き込んでいく。歌詞の一文一文が記すメッセージだけでなく、ステージ上のミュージシャン全員の奏でる一音一音が皆の意志を紡いでいく。

もちろん皆川さんだけでなく、REUNIONライブから引き続きサポートを固めているメンバーは、匠が揃っている。もしかすると歴代最強かもしれないと思わせるほどそれぞれの曲が持つ表情を余すことなく出し切っている。特に、ドラムは真助さん時代が長かったので玉田さんに代わってから音の変化を一番感じる。もちろん、どちらも素晴らしいドラムだ。

新しいREUNIONのあとは、定番中の定番曲を山口さんの新鮮なベース音が奏でる。


  • メリッサ

説明不要の名曲。最近、鋼の錬金術師の話題を聴くことが多く、同時に名作を彩った名曲が耳に入ることも増えた。

メリッサは当時、周りの友人誰もが聴いており、最初期のポルノを除けば、その時の感覚はハネウマライダーがヒットした時と同様に身近にあったポルノが一気に遠くへ行ったような変な感覚があった。もともと売れているバンドだったが、定期的にやってくるヒット曲が世に出た時は不思議な気持ちだった。


今でもその感覚はちょっと抜けていない部分があり、メリッサの演奏が始まると毎回、「鋼の錬金術師の主題歌を歌っていた人だ」という謎の感覚に陥る。
あの頃から変わらず今でも歌い続けてくれている事、そしてずっと好きな事をあの頃の自分に伝えたとしてもきっと驚く事はないだろう。
あの頃からわかっていた気がする。

今、THE DAYやオー!リバルでポルノに夢中になった子供たちにも自分のようにずっとポルノを好きでいて欲しい。

安心感のある定番曲はまだ続く。
それは終りが近づいている証拠でもある。


声が出せなくても身振り手振りで楽しんでくれているのは重々承知ですが、もしエネルギーのかけらが残っているとしたらここで使い切ってはいかがでしょうか?

晴一がタオルを用意するように煽る。以前は感染防止の観点からタオルを回すことさえ禁止だったが、今はタオル回しが出来るまで元のライブに戻ってきた。

MC中に半笑いでギターを鳴らしながら煽り、それに対して「かっこいぃぃ~~」と何度もつぶやく昭仁。


思わず会場のファンからも声にならない笑い声があふれる。
そして昭仁はタオルを掲げた。
あの時間が始まる。

  • ハネウマライダー


コアファン向けのセトリが多いライブでも、新規ファンのことも考え、後半は誰もが知るヒット曲を連発してくれる。



この場所へ来た証のように、空高く掲げ、会場を埋め尽くすタオル。

今回のツアータオルもだが、歴代のタオルが無数に並んでいることでポルノをずっと追いかけてきているファンがたくさんいることが言葉を出さずともわかる。


ハマった時期は人それぞれだが、一度乗ったらなかなか降りられない。
これからも降りるつもりはない。

そして本編の終わりがやってきた。


最高の時間です、あんたらはほんとすごい。
ここからは渾身の、生涯で一番のクラップを下さい。手のひらが痛くなって痺れるほどのそんなクラップを。

そして次にわしらに逢う日まで、その痛みを覚えておいて。そしてまた次に会った時に、次にやる曲をみんなで歌おうよ。一緒に声を出して一つになれるように歌おう。それまでの約束、生涯最高のクラップを。




そんな最高の約束、絶対に忘れられない。

  • テーマソング

コロナ禍で歌えない状況であえて合唱パートのある曲をシングルとして、ツアーのリード曲としてリリースしたポルノ。

声を出せない今だからこそしか感じられないことがある。みんなで声を出せるライブは当たり前じゃない。この時の想いを忘れず、絶対にいつか歌いたい。

いずれ必ずやってくるであろうその時は、自分もその輪の中にいたい。



特定の人にしか届かない曲もある、そういう曲もあっていい。
しかし、今この状況だから誰にでも届く「テーマソング」のような曲が求められている。

ツアーで生テーマソングを聴いた人は感動しただろうと思う。リスクを抱えながらも参戦することを決め、やっと会えたポルノに胸が熱くなっただろう、涙した人も多いだろう。


ポルノに会えた人だけじゃない。
今回のツアーに参加しなかった自分のような人にもちゃんと届いている。

今日この日まで、自分なりにそれなりに頑張ってきた日々のすぐそばにBGMとしてあったのはテーマソングだった。CDで聴くだけで、頭の中で流れるだけで胸が熱くなった。もう少し頑張ろうって思えた。



燃えている、震えている。
そして今日、さらに熱くなった。

明日からまた続きを歩ける。
やっぱり人生のどんな節目にもポルノがいた。



ポルノコールが出来ないアンコールでも、きっちり手拍子でポルノを求める気持ちが響き、そして再びみんなの前に現れてくれた。

今回のライブタイトル「続・ポルノグラフィティ」の“続”を感じてもらう為に、新曲を披露することを宣言。

  • メビウス

優しく、晴一がギターの弦を弾き始める。
テーマソングがアップテンポだったので、愛のバラードかな?と思いながら耳を澄ませ、画面の歌詞に注目した。

やさしいあなたは わたしのくびねを

配信での初披露なので、ひらがなで伝わりやすくしてくれているんだろう。

りょう手でしめ上げ 泣いてくれたのに

うすれるいしきに しあわせみたして
はずかしい はずかしい ゆるしてほしいよ

??

もうめぐらせなくてもいいの
しぼんだはいのままでもね



なんて曲を作ったんだ・・
なんなんだこの歌詞は・・
そして何故このツアーで新曲として披露しようと思ったんだ・・・

最高過ぎる。
そういうとこだぞポルノグラフィティ。

こういう曲を待っていたと言えば変だが、たくさんの愛の歌を作ってきたポルノにとって、今までにないまた新しい愛の歌だった。この悲しい歌をここで披露することの意味不明さがポルノに狂ってしまう要因の一つだ。

ポルノはほんとに誠実で、真面目だ。活動のひとつひとつに意味を込め、全力で向かう。中途半端な手を抜いた仕事をしない。リリースだってREUNIONではなくテーマソングをA面に持ってくる。それがポルノグラフィティという作り上げられた母屋だ。

だがどうだ、こういうサイコなところが彼らがファンを離さない裏の魅力だ。
なんで今なんだ、なんでここで歌うんだ。

それがポルノ。
わしらが、ポルノグラフィティじゃ。

早くリリースして欲しい。すぐそう思った。
しかし、演奏後

このメビウス、まだリリースがいつとか決まってないんです。
いち早く、いま届けたい音、そして言葉を伝えたかった。

なんだよこのバンド。
もう意味わからないけど本当好き。


先にラストを言ってしまうと、今日の最終日配信ではリリースやライブなどの新情報は無かった。先を見通せない状況のなかツアーをしてくれただけ十分だが、なにか発表を期待してしまう自分がいた。

しかし、もう一曲新曲の披露をするとの宣言。これは予想外で嬉しい。
次の新曲は、さきほどのメビウスとは全く違い、どこか懐かしさを感じる楽曲だった。

  • ナンバー



たくさんの生き物、そして自然豊かな情景が出てくる。あったようでなかった曲。

同時に、不安になる様な歌詞も多く出てきて、まだ自分の中で解釈が追い付いていない。
これからゆっくり歌詞に込められたメッセージと向き合いたくなる、そんな新曲だった。

メビウスとナンバー、歌詞だけ渡されると同じバンドから同時に発表された楽曲だとは誰も思わないだろう。


二曲のクリスマスプレゼントを渡してくれたあとはアホになる時間。ライブが終わる時間。

恒例のメンバー紹介


ドラム:玉田豊夢


ベース:山口寛雄


キーボード:皆川真人


ギター、そしてバンマス:tasuku

もちろん陰で支え続けているnang-changの存在も忘れてはならない。
本当に最高のメンバーだった。さらにポルノの音楽が好きになった。

  • ジレンマ

“定番とは安心”そう思う。
続と銘打っていても、やはり変わらないものも必要だ。



歌詞に入っており、ファンクラブ名にもなっているlove up!は、「もっと愛して!」の造語。

ポルノはライブをする度にもっと愛されるバンドだ。それは会えば分かる。

今回のツアーではライブに行かなかったけれど、次に行けるのはいつになるかわからないけれど、それでもまた絶対に行きたいと思う。

もしポルノのライブに行ったことない人がいれば、コロナが明けたら足を運んでみて欲しい。
本当にすごい。多分、コロナ明けのポルノのライブはもっとすごいと思う。



熱狂の中、また一つライブが終わった。

このライブを生で見ることはもう出来ない。
同じツアーはない、もう一生ない。

初めて「行かない」という選択をしたライブだったが、後悔はない。
自分にとって「テーマソング」はライブで聴けなかったことを悔やむ悲しい歌ではなく、これからの自分の“続”の為に奮闘していた日々を彩る歌だった。

いつかコロナが明け、またテーマソングを聴き直す時、他のシングルで当時のことを思い出すように2021年のことを思い出すだろう。


テーマソングは二回楽しめる。
声が出せずとも、全力の手拍子をした曲。
コロナが明け、みんなで全力で歌う曲。


いつの日か
泣きたくなるような青空が広がる下で
壮大なテーマソングをみんなで一緒に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました