デビュー5周年から二人で歩き出したバンド
「ポルノグラフィティ」

デビュー前から共に音を奏でてきたメンバーであるベースのTamaは、惜しまれながらも2004年に脱退しました。

脱退前に総決算として2枚のベストをリリース。


そして二人で、固く絆を結んだ昭仁と晴一は、新たな船出の時を迎えました。
再スタートしたポルノの最初のアルバムである、5thアルバム「THUMPχ」は、彼らの決意と新たな一面が見える傑作アルバムに仕上がっています。
【サンプ】2人になったポルノが最初にリリースしたアルバム「THUMPχ」【紹介・レビュー】
5thアルバム「THUMPχ」とは?
本記事で紹介する「THUMPχ」は、「サンプ・サンプ・サンプ」と読み、「ドキドキ」といった意味が込められています。

Tama在籍中には、Tamaが得意とするダークな世界観が魅力の楽曲であふれた名盤アルバムが多数ありました。

本作は、Tama脱退後にリリースされたシングルを中心に、昭仁、晴一そしてプロデューサーの本間昭光氏のみで制作された曲で構成されたアルバムとなりました。
メンバーの脱退という大きな節目を乗り越えた本作は、決して後ろ向きではなく、むしろ
- 前向きな未来のポルノグラフィティ
を示すようなバラエティに富んだアルバムとなっています。

「THUMPχ」各曲解説
Ouch!!
謎の一曲目。女性目線で女心を歌ったナンバーから始まるこのアルバムは、終始なぜこの曲で始まったのだろうという謎を残しながら聴き終えることになる。そんな感じの謎の曲。ファンにもあまり人気が無い印象を受ける。とりあえず、女心をしっかりわかってあげられる男でありたい。

ネオメロドラマティック
一般人には理解できない域に到達した晴一の比喩を重ねた作詞が印象的で、これでもかというほど言葉を詰め込んだポルノらしいナンバー。二人になってからのポルノも心配ないと思わせる楽曲の登場にファンは歓喜し、ライブで確実に盛り上がる起爆剤として今でも愛され続けている。
正直、いまだにあまり意味はわからないが、晴一先生の頭の中を理解しようとする方が無理なので頭からっぽで聴いている。ムーヴカスタムのCMソングになっていただけあり、特に運転中、トンネルを通るときに聴くと最高。

東京ランドスケープ
ツワモノぞろいの東京という街で、もがき、立ち向かう思いを歌った本間さん作曲、昭仁作詞の楽曲。後で紹介する「うたかた」も同じ組み合わせで、他には「リビドー」など。意外とこの二人の作品はアリ。
まさに周年記念で歌うべき楽曲で、20周年アリーナツアーでも披露された。大阪公演での、「そうここ(大阪)を出てずいぶん時は経った」で泣いた。歳のせいか、最近すぐ泣けてくる。

We Love Us
今やシングルで最強の組み合わせとなった昭仁作曲、晴一作詞の楽曲。当たり前の日常に幸せを感じる歌詞で、時々、聴いていてハッとさせられる。
平凡な日常を過ごせることは幸せなことだし、そしてその平凡な日常は永遠に続くものでもないから大切にしなければいけない。
私生活だけの話ではなく、コロナウイルスの影響で色々なイベントが中止となって当たり前に行けていたライブにも行けなくなった現在。この先、収束して当たり前の日常が戻って、当たり前にライブに行けるようになった時、改めて今の気持ちを思い出すためにここに記しておこうと思う。
ライブでこの曲が聴けて、みんなで合唱出来たら最高に幸せ。

黄昏ロマンス
一曲前の「We Love Us」からの流れで、自分の現在、将来を考えさせられる晴一作詞作曲のバラード。晴一は本当に人生を10回くらい転生したようにいろいろな世界観、感情を歌詞に落とし込んでくる。いったい何者なんだろう。
「今日の晩ごはんは何だろう」くらいしか考えていない自分が恥ずかしくなる。でも、そんな平凡な日常もいつか終りがくるから、この曲のように大切な人のことを考えて生きていきたい。

Twilight, トワイライト
昭仁作詞作曲の、このアルバムにとって重要な一曲。普段ストレートに熱い想いを歌詞、歌声に乗せる昭仁だが、たまにこういった世界観の完成された名曲を生み出してくるからドキドキする。サンプマンは昭仁なのかもしれない。自分でも何言っているかわからないが、昭仁が好き。
どうしようもなく好きで、イヤホンで片方の耳から昭仁の声だけ聴くときがある。多分、私だけじゃないはず。

ROLL
昭仁作詞作曲の傑作。キャッチーで覚えやすく、自身の楽曲である為、感情がしっかり乗って響いてくる。「しまなみロマンスポルノ」では、昭仁作詞作曲の楽曲が多く、特に「アニマロッサ」「Winding Road」「ROLL」は本当に最高だった。
最近何かと弾き語りをすることが多い昭仁。意外と傑作であるこの曲を弾き語りしないので、ここらで一発ぶちかまして欲しい。

シスター
二人体制になってから最初にリリースされたシングル。歌詞の内容的ににいろいろ考えてしまう部分は多いが、前向きな気持ちでリリースしたという二人の言葉が全てだと思う。
10周年アリーナツアーの本編ラストを飾ったこの曲の演奏前のMCで「デビューから10年間で1度だけポルノグラフィティを止めにしようかと考えたことがあった」と語られた。もしかしたら、あの時、ポルノは終わっていたかもしれない。それでも二人で話し合い、前へ進んでくれたポルノ。そして私たちを幸せにしてくれるポルノ。何をしたら彼らに恩返し出来るんだろう。

ドリーマー
スケベの曲。なんでポルノにとって重要な楽曲であるシスターの後にもってくるんだろう。すべてがぶち壊し。でも、この曲も、そんな流れを作るポルノも全部好き。
そして、男だからしゃーない。これに尽きる。うん、ありがとうございました。

社員 on the beach
ブラック企業の歌。旅行に行きたい、旅行に行きたい。そう頭の中で思いを巡らせて仕事に戻る。この感情、どこかで感じたことがあると考えた時、あなたは思う。自分のことだと。
そしてそれは、私も同じ。旅行に行きたい、ライブに行きたい、ポルノに会いたい。

プッシュプレイ
あの憧れていたロッカーはまだ闘っているのか?そう歌ったこの楽曲は、晴一作詞作曲。そしてそれから15年後。満員の東京ドームで披露された「プッシュプレイ」そして同じく晴一作詞作曲の「VS」
学生時代に夢中になって聴いていたこのアルバム。大好きだったプッシュプレイ。全力で闘っていたポルノ。東京ドームで見た彼らは、今も闘うロッカーだった。そして輝くウルトラソウル。

うたかた
昭仁の作詞能力が急におかしくなった楽曲。前々からストレートながらも心に響く良い詞を書いていたとは思うが、これまでに見せたことの無い一面を見せられ、ちょっとドキドキした。
中国風に作られた本作のように、ポルノは普通の第一線で活躍するバンドではやらないようなテイストの楽曲を多数つくり、なんでもできるバンドになってしまった。そしてそれを全て歌い上げる昭仁、全て弾きこなす晴一。かっこよすぎてたまらない。

何度も
アルバムに1曲は収録される晴一作詞作曲の名曲コーナー。毎回アルバムが発売されるたびに、このコーナーが楽しみで仕方がない。曲名が発表された時点でわくわくする。そして、そっと語り掛けるような昭仁の歌い方もたまらない。横浜ロマンスポルノで、「うたかた」→「夕陽と星空と僕」→「何度も」の流れでファンは全員死んだ。そしてゾンビのようによみがえる。立ち上がれLiving dead。

Let's go to the answer
アルバムの最後に、未来へ連れて行ってくれる約束をしてくれるような楽曲。まだまだ負けていないぞという当時30代のポルノが30'sの遠吠えを聞かせてくれてから早15年。もうすぐ50'sの遠吠えを聞かせてくれそうなくらいの歳になってしまったが、まだまだポルノは闘っている。負けていない。
これからもずっと憧れのヒーローでいてくれるはずだと信じていけるのは、このアルバムを聴いていた学生時代よりも今ポルノの方がカッコイイから。

痛みがあるのも構わない。
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まとめ
二人になって初めてリリースしたアルバム「THUMPχ」
そのアルバムは、20年という一つののゴールテープを切った昭仁と晴一の絆が固く結ばれたスタート地点なった一枚です。
このアルバムを聴いて、決して後ろ向きではなく、前向きな未来のポルノグラフィティを感じることが出来たと思います。
そしてこれからも、ポルノの歴史は続いてくはずなので、その手を引っ張っていってもらいましょう。きっと楽しくて、明るい未来を見せてくれるはずです。


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