【名盤】ポルノグラフィティ待望の新曲「テーマソング」レビュー

ポルノグラフィティ

我らがポルノグラフィティが、2019年にリリースされた「VS」以来となる待望の新曲をリリースした。
今回はそのシングルとなった「テーマソング」を含め、収録された3曲の個人的感想を述べたいと思う。

【名盤】ポルノグラフィティ待望の新曲「テーマソング」レビュー

新しい「名盤」として恥じない一枚

ポルノグラフィティ

まず最初に言いたいのは、手にしてない方がいれば絶対に手にした方が良い一枚である事。

音楽業界だけではないが、様々なジャンルで「サブスク」が主流となっている現在。
特に音楽業界は圧倒的にサブスク派が増え、CDが売れない時代となり、そしてそのサブスクの波の中にポルノグラフィティもいる。

活動休止をしていたこともある為、シングルCDのリリース期間が開いたことは仕方ないが、近年の楽曲では“現在配信のみでしか入手できない楽曲”も存在する。
その為、今までリリースがある度にCDを購入していたファンも配信での購入をせざるを得ない状況となり、同時にその手軽さに魅了されCDから離れていった人もいると思う。
さらに、非ファンで「ちょっと興味を持った人」に今さらCDを購入してもらうのは相当ハードルが高い。その点、サブスク・YouTubeなどはとても便利なツールだと思う。

でも、思う。
なんだか寂しい。

CDを手に入れて、歌詞カードを開き、お気に入りのヘッドホンをつけた瞬間、何歳になっても一気に多感だった学生時代に戻ったような気持ちになる。
特に、音だけでなく手に触れた感覚や文字に込められた想いを感じることが出来る。

初回盤には2020年に行われたコロナ禍でのライブ映像も収録されていることと、同時に今回ツアーで演奏される楽曲を配信で観ることが出来るコードが特典としてついている。一枚で多方面から“今のポルノグラフィティ”を知れる最高の名盤だと思う。
本当にCDとしてのリリースが嬉しかった。

前置きが長くなったが、各楽曲の感想を少し話していきたいと思う。

テーマソング

ポルノグラフィティ『テーマソング』document movie(Full ver.)

今回リリースされたA面シングル「テーマソング」は、爽やかで軽快な誰に対しても当てはまる応援歌となっている。
一般的なポルノのイメージと言えば、ライブで盛り上がるアップテンポなナンバーや、JPOPバンドとしては珍しい異国情緒漂うラテンナンバーだと思う。
しかしポルノの一番の強みは“ジャンルが無い”こと。なんでも作れて、なんでもポルノらしく出来る。それが20年で手に入れたポルノのポルノらしさだ。

その強みがあると同時に、曲ごとで「大好き」「好みじゃない」「なんだこれ?」「ギターが歌っとる!?」といろんな意見が出てくることも、もはや日常。

そんなバラエティ豊かなポルノが久しぶりにA面として持ってきたのは、「君は100%」や「キング&クイーン」を思い出させるような背中を押してくれる楽曲で、個人的には予想通りといったところだった。曲のクオリティの問題ではなく、現在の状況を考えると次に紹介する「REUNION」のような楽曲ではなく、明るい気持ちにさせてくれる楽曲を新規で制作し表題曲にしてくるだろうと思っていた。

もっとクセのある楽曲やロック感のある楽曲を求めている人には物足りない印象だったかもしれないが、こういう楽曲こそ聴けば聴くほど好きになり、そしてなによりライブでの爆発力がエグイ。

ファンの中でも賛否両論の大きい(どちらかといえば否)「君は100%」も、聴き込んでみると細部までこだわったロックナンバーで、聴きごたえがある。そして東日本大震災の復興支援として開催された「つま恋ロマンスポルノ'11 〜ポルノ丸〜」で一曲目に演奏された時に

この曲があって本当に良かった。

そう思った。開幕からいきなり胸を打つ応援歌は苦しい中ライブにたどり着いた心と体を打つ。同じように「キング&クイーン」に関しても平成30年7月豪雨の復興支援の側面が大きかった「しまなみロマンスポルノ'18〜Deep Breath〜」の一曲目としてもこの曲以外にあり得ないと思わせるパワーがあった。

現在のコロナ禍で、たった一つの病原体のせいでいろんな環境の人たちが苦しんでいる。そんなたくさんの闘っている一人一人にエールを送る楽曲「テーマソング」には家にいながら上記の楽曲と同じように胸を打たれた。
楽曲の雰囲気はYOASOBIのような新しさもありながらしっかりポルノとして存在している。ボーカル岡野昭仁は常に新しいアーティストに刺激を受け、休止期間で行っていた個人活動の中で得たものを存分に曲に落とし込んでいる。

そして今回特に注目したいのがギター新藤晴一の作詞。昭仁の書く応援歌はこれでもかというほどストレートに背中を押してくれるタイプなのに対し、晴一の書く応援歌はどこまでも聴き手に寄り添い、そっと背中を押してくれるタイプが多い。
しかし今回の「テーマソング」では今のこの状況から抜け出し、立ち上がる為のメッセージが力強く込められている。

ほら 雲のような白いスニーカーで高く高く登ってゆけ

噓でもいい I can do it I can do it 言い切ってしまおう 

フレーフレーこの私よ そして私みたいな人
ともに行こう 拳あげて 誰のためでもないThis is all my life

今苦しんでいるのは自分だけではなく、同じように苦しんでいる人がいる。一人では進むことが難しくてもみんなでなら乗り越えられる。
そんなポルノからのメッセージが込められた楽曲だが、これはファンにだけ当てはまるものではなく、今回新始動するポルノの二人も当てはまると思う。
今回のツアーで演奏されることになると思うが、その際は声は出せなくとも体でしっかり受け止め、拳をあげ、ポルノの二人にも共に行こうとファンからも伝えたい。
これから音楽業界がどうなっていくのかわからないが、いつまでも共にあろうと。

その胸は 震えてるか?

ポルノの胸も、震わせてやりましょう。

REUNION

コロナ禍で開催されたライブで初披露されたものから全体的にすっきりまとまった印象。個人的にライブVerを聴きすぎてまだ少し馴染めていない部分もある。

ポルノグラフィティ 『REUNION』(LIVE MOVIE) / PORNOGRAFFITTI 『REUNION』(LIVE MOVIE)

ライブで披露された際は、全体的に命令形であったことと、昭仁自身の歌い方も力強く表現されていたことからリリース等を意識していないと言いながらも「シングル感」が強かった。

当時は今よりコロナの感染者が少なかったが、まだまだコロナ禍の入り口で、ライブ及びエンターテイメントに対する規制も厳しかった。そのなかで感じた感情を晴一らしい表現方法で書き上げた一曲となっていた。

今回アレンジされて完成されたREUNIONは、あれから時間が経ち、ある程度の進むべき方向ある程度の諦めを感じたうえで今の現状を俯瞰して見て作り上げたような印象を感じた。

ライブVerがあるから比較しやすいこともあるが、昭仁の歌い方もいつもと違っていた。
新しいテクニックで歌い上げているような印象で、特にAメロの歌い方がこれまでとは違っているように感じる。少し諭すような歌い方になっていることで良い意味でシングルとカップリングの間にいるようでポルノの内省的な部分が感じられる。
たくさんあるポルノの引き出しの中で、私の中にある“ポルノらしさ”を感じる仕上がりになっていた。これから聴き込んでさらに好きになるであろう一曲だ。

IT’S A NEW ERA

上記の2曲は形は違えどすでに公開されていたが、カップリングの魅力はCDを開くまでどんな曲かわからないワクワクがある。久しぶりにそのワクワクを体感した。

最初聴いた時の印象は、全体的にBUMPの楽曲に近いイメージだった。ギター晴一の書く世界観は多岐にわたるが、その中でも物語性のある楽曲のクオリティは随一。今回の「IT’S A NEW ERA」は新始動したポルノの決意を歌っており、まだ見ぬ新世界へ向かう彼らの思いが伝わってくる。

ボーカルの部分では、「REUNION」と同様に昭仁の歌い方がいつもと違っている。インタビューでも抑え気味に歌っていると語っているが、それがこの楽曲の世界観を引き立てていて、不安の中にありながらも心に希望と信念を持ち船出をする主人公の顔が浮かんできた。

収録された3曲共に方向性が同じでまとまりがある為、ミニアルバムを聴いているような面白さがある。余計にアルバムが聴きたくなった。
久しぶりのカップリング曲にSNSでも絶賛の嵐で、ファン受けも良いみたい。晴一が現在ハマっているミュージカルの影響もあったとのことなので、今後こういった楽曲が増えていくのだろうか。

まとめ


久しぶりに手にした一枚はブランクを感じさせず、それどころか本当に休止していたのだろうか?と思える進化を感じる名盤となっていた。

ライブで聴きたい楽曲ばかりだが、今回色々な事情を考慮しツアーへの参戦を見送ることにしている。とても残念だが、そんな中でも「テーマソング」はライブ会場に行かない選択をした私にも届くエールだった。

今回のツアーに参戦される方はポルノにたくさんエールをもらって、そして同時にポルノにもエールを送ってあげて欲しい。参加できないみんなも分まで。私は今回のツアーが無事に完走できるように家で祈っている。

初聴きは先になってしまうが、インタビューでこう言っている。

コロナ禍が明けたとき、みんなで歌う希望の“テーマソング”

そう、この曲が本当に完成するのはコロナが明け、みんなが当たり前のようにライブで声を出せるようになったとき。誰もマスクをしていない満員の会場で合唱パートをファンの声で埋め尽くしたい。
その時は、みんなと一緒に私の声もその一部になれたらと心から思う。

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