難聴を発症した時の気持ち。
難聴を発症したのはもう10年ちょっと前になります。
当時、学生だった私は、ある日起きた時に左耳に虫が飛んでいるような音がしました。
よく蚊が耳の近くを通った時に「プーン」という音がするかと思います。
当時感じた印象はそんなイメージでした。
その音は今と比べるとはるかに小さいものでした。しかし、鳴りやまないその音に少し恐怖を感じながらもこう感じました。
すぐ治るだろう。
たまたまだろう。
今思えば、これが私が今までしてきた人生の間違いの中で一番大きなものだったと思います。
10年後の自分がこんなに苦しんでいるなんて想像もできませんでした。
遅れた治療、治らない耳鳴り
耳鳴りを軽く見ていた私でしたが、1週間ほど続く耳鳴りだんだん恐怖を感じてきた為、近くの耳鼻科に行くことにしました。
しかし、その耳鼻科で検査した結果、もう少し大きな病院へ行く様に言われました。
そこで私の恐怖はさらに大きいものになりました。
この耳鳴りは治るのだろうか?
次に行った病院で難聴の治療としてステロイド治療を受けることになり、治療の結果は左耳に耳鳴り(発生時より音は大きくなっている)が残りました。
聴力自体は、下がったというより耳鳴りが大きい分聞こえにくいといったイメージです。
そして耳鳴りは治らない。うまく付き合っていくしかないという現在の医療の状況を伝えられ、そこから私の耳鳴りと付き合う人生が始まりました。
10代の頃の話です。そんな年で一生の話をされてもイメージがつきませんでした。
諦めた心、慣れていく耳鳴り。
耳鳴りを発症した当時は、耳鼻科に通ったり市販薬を試したりしていました。
しかし、変わらない結果に本当に治らないことを悟り、諦めるようになりました。
将来の事も深く考えていなかったからこそ、そういった考えになったのだと思います。
20代に入るころには耳鳴りが鳴っていることが当たり前で、慣れすら感じていました。
耳鳴りが一番つらく感じる就寝時などは、当時まだ音がそこまで静かではなかった空気清浄機を常時部屋で動かし、その空気音と小型のラジオを耳元に置きFMのノイズを流すことによって耳鳴りを多少楽に感じる様にして寝ていました。
環境の変化による悪化の不安
耳鳴りを諦め、慣れている心にも多少の不安はありました。
それは生活環境の変化での耳鳴りの悪化に対しての心配でした。
発症した当時、なぜ難聴が起きたのかと考えていました。
明確な理由はわかりませんが、当時、生活環境の変化がありました。
自分ではストレスに感じていなくても実はストレスに感じて体への影響が出ていたのかもしれません。
そういった過去があるからこそ、生活環境の変化によるさらなる悪化が起きるのではないか?という不安になるときがありました。
- 就職してからの生活
- 勤務の変化があったとき
- 今後、結婚などでの生活の変化
徐々に悪化している耳鳴り
耳鳴りが当たり前であるがゆえに、深く考える機会、自分の耳鳴りと向き合う機会が減ったことで耳鳴りの本当の状態に気付けていませんでした。
しかし、確実に発症当時より音が大きくなっていました。
そんなすぐわかることに気付いていませんでした。
「ジーー」
「ゴーー」
「ポーー」
「ピーー」
色々な音が鳴るようになり、学生時代と比べて体の疲れや睡眠不足による耳鳴りの状態の悪化が顕著に出る様になってきました。
しかし、それすら当たり前になってしまっていました。
気持ちの変化
ずっと耳鳴りに対して諦めている状態だった私に変化をくれたのは二つの出来事でした。
その一つが妻との結婚でした。
付き合い始めたころに難聴について話し、理解してくれたことで私生活でのサポートをしてくれるようになり、今では非常に助かっています。
耳鳴りを緩和させる為に、部屋でずっと何かの音が流れていても気にしない様してくるのはありがたいです。
私の耳鳴りが酷く、体調がすぐれない日は率先して家の事をやってくれています。
本当に感謝しかない存在です。
そして、もう一つの出来事が、右耳の耳鳴りの発症でした。
数か月前の話ですが、あの時のパニックは今でも忘れられません。
人生が終わった。
大げさではなく本当にそう思ってしまった出来事でした。
手が震えながら近くの病院の診療時間を調べました。
この二つの出来事があったことで現在の私の気持ちに変化が生じています。
その変化は、「幸せに生きたい」
というものでした。
幸せに生きたい
「幸せに生きたい。」
そんな当たり前のことを今まで考えてこなかったのが恥ずかしいですが、妻と結婚し、耳鳴りの悪化が起き、絶望したことで今後の生活・将来のことを真剣に考えるようになりました。
今、隣にいてくれる妻とこれから幸せに生きていくためには今の耳の状態ではきっとよくない。
少しでも緩和できる方法を探していかなければならない。
そういった考えになりました。
そう気づかせてくれた二つの出来事は私にとって大きいものでした。
発症から約10年、現在の耳の状態。
現在の耳の状況としては、
- 左耳
→耳鳴りがかなり酷い。色々な音が鳴り、朝は特に騒音レベル。 - 右耳
→調子が悪いときは、血流の音を聞いている感じの耳鳴り。低い声で話しかけられたり、低い音が鳴ると耳の中で振動する。 - 聴覚過敏
→周りの音が気になる上、耳鳴りなのか周りの音なのかわからない。
現在の行っている治療
- 糖質制限
- ビタミンの摂取
- 耳鳴りの緩和について調べ、実行する。



今後の治療
今現在考えている治療が「TRT治療」です。
これは、補聴器のようなものをつけて耳へノイズを流し耳鳴りに慣れる為の治療です。
どこの耳鼻科でもやっているわけではなく、現在TRT治療をしている病院を見つけたので予約して話をしに行く前の段階です。
今後は、この「TRT治療」にともなって会社を定期的に休んだりする必要があるかと思うので上司との相談も行っていく予定です。
またこの治療を受けることが出来ればそういった情報もブログの方で発信していきたいと考えています。
まとめ
長くなりましたが、何かの形で今の状況をまとめておきたいと思い、今回こういった内容の記事を書きました。
昔、耳鳴りでつらかった時にネットを見ていると同じように悩んでいる人がいて「自分だけじゃないんだ」という思いで少し気が楽になったことがありました。
もし、この誰も見てないようなブログかもしれませんが、同じような悩みを持つ誰かの目にとまり、過去の私と同じような気持ちになってくれたらと考えています。
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