ポルノグラフィティのギター、新藤晴一。
彼は天才作詞家であり、小説家としても活躍する文字に命を吹き込む男です。

晴一は、他の誰にも書けないものを書く人です。
そんな晴一が書いた文章のなかには、書籍化されているものがあります。
その一つが本記事で紹介する晴一初の単行本であり、エッセイ集の「自宅にて」です。
本作は晴一の“本音”を知ることが出来る貴重な単行本です。
作詞についてはもちろん
昭仁、そして脱退したTamaについても・・・
ポルノ新藤晴一の出版した書籍①「自宅にて」は、晴一の本音が知れるエッセイ集。
「自宅にて」とは?
「自宅にて」は、晴一自身初の単行本として出版されたエッセイ集です。
惜しまれつつ休刊した人気音楽雑誌「PATi PATi」にて、2001年2月号から2005年4月号まで掲載された全51回の連載分を収録し、書籍化されました。
PATi PATiの担当編集者との飲みの席で、「検閲なしで文章を書かせてくれ」と晴一が依頼したことで実現した本連載では、晴一の日常で感じる“動いた心”を素直に綴っています。

ハルイティンの本音・・・
「自宅にて」の内容は?
「自宅にて」では、タイトル通り晴一が自宅で自身の想いを・・・というつもりだったのかもしれませんが、実際はツアー先のホテルであったり、レコーディングスタジオの空き時間を利用して文章を仕上げています。
その為か、よりリアルな気持ちを綴っているように感じます。
連載されている期間は、知名度も急上昇し、「ミュージックアワー」や「サウダージ」などの大ヒット曲を収録したアルバム「foo?」をリリースするあたりから、二人になって最初のオリジナルアルバム「THUMPχ」の制作あたりまで。この期間は、
- メンバーの脱退
- 二人での再始動
という晴一自身、そしてポルノにとっても非常に重要な転機となった期間を含んでいます。
普段クールに見える晴一の心が動いた瞬間の数々をリアルな文章でまとめ、その中には絶大な信頼を置くボーカル昭仁、そしてポルノを離れることを決意した親友Tamaについても触れられています。

一番近くでポルノを見てきたからこその想いです。
また、作詞や楽器に関してのことはもちろん、晴一の人生観にも触れることが出来ます。
まさに当時の晴一を凝縮した一冊になっているので、この書籍を通して晴一を知ることが出来る一方、
- 今の晴一は何を考えているんだろう?
という思いも生まれます。
誰もが知る有名お笑い芸人、ダウンタウンの松本人志さんが若い頃に書いた名著「遺書」では、過激ともとらえられる松本さんの思考を知ることが出来ますが、テレビで見る今の松本さんからは考え方の変化を感じます。
結婚し、子供も生まれ、ミュージシャンとしてもベテランの位置に立った晴一は、「自宅にて」の当時と比べ、どのような心境の変化があるのでしょうか?
長年ポルノのファンとして見続けている私としては、晴一は良い意味で変わっていないように感じます。
この書籍を読んだみなさんの目にはどう映っているでしょうか?
「自宅にて」での名言
「自宅にて」で綴られた数々の名言の一部を紹介します。
これまでポルノの活動においてさまざまな驚きと感動をファンに与えてくれた晴一。
そんな晴一が
- クリエイトすること
に関しての考えをまとめた話では、あるライブに関して、ものを創ることはとてもロマンチックで心ときめくことだと述べ、自身のクリエイトに関する想いを綴った後
君の夢や目標も、僕の夢や目標も、どうにか形にするってことが大切みたい。
と語る晴一。
ポルノグラフィティというバンドは、新藤晴一の頭の中にあるものを岡野昭仁という最強のボーカリストを通して伝えていくバンドだと個人的に思っているので、これからも晴一の頭の中にある夢や目標を形にしていって欲しいです。
- 理想の死に方について
晴一の友人の理想の死に方は南の島でハンモックに揺られながら老衰で死ぬことらしく、読んでいた本が落ちる様子を想像するとかっこいいとしながらも、
やっぱり故郷の市民病院のベッドのほうが、まだしっくりイメージできるということは少し残念ではあるけど、伝説のロックスターのようにはとてもなれそうもない。
人生の幕引きに関しての話から、故郷を愛していることも伝わってきます。
全51回に及ぶ連載ではその都度、晴一が感じた思いを等身大かつ、晴一らしい言葉で表現しています。

やっぱり晴一の考え方好きだな。
まとめ
文字に命を吹き込む天才作詞家、新藤晴一。
彼が初めて出版した書籍「自宅にて」は、彼の動いた心をそのままの気持ちでリアルに綴ったエッセイ集です。
私たちには知ることも出来ない晴一の頭の中を知ることができ、そして多くの人から愛されるバンド、ポルノグラフィティを一番近くで見てきた彼にしか感じることの出来ない想いをこの一冊に詰め込んでいます。

これは「自宅にて」ではない
「晴一だよ」だ。
晴一の考え方を知ってから聴くポルノの名曲は、また違って聴こえてくることでしょう。
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